この記事を見てくれている方は、お子さんが「横隔膜ヘルニアです」と言われて、不安でいっぱいなのではないのでしょうか?

カズペも不安でネットで情報を探しては落ち込んでたよ・・・
横隔膜ヘルニアで産まれたけど今は元気にしているお子さんがいる方は、あまり情報を公開していません。
そこで、今回は2009年の息子の闘病体験談と先天性横隔膜ヘルニアについてまとめてみました。
妊娠9か月で横隔膜ヘルニア発見!
息子の妊娠9か月の検診(32週)で、大学病院から家の近くの産院に来ていた先生から「心臓が右にあり腸が心臓(肺だったかも?)の横にあります」と言われました。

し、心臓って左にあったよな確か・・・???
大学病院で検査してもらったところ「先天性の左横隔膜ヘルニアです」と言われました↓
- 先天的に横隔膜に穴があいている病気。この穴から小腸・大腸・脾臓・肝臓などが胸に入り込み、肺を圧迫して呼吸困難をおこす。
- 息子の場合は、左の穴から入り込んだ臓器が肺を圧迫し、左肺があまり育っていないと言われる。
お腹にいる間は肺呼吸ではないので生きていられますが、産まれたら呼吸ができなくて生きていけません。
これからいろんな楽しいことが待っているだろう新しい命・・・こんな残酷なことがあるでしょうか?
眠れない日々が続きました・・。
ヘルニアを見つけてくれた先生が大学病院でも診てくれて、「ヘルニアになる原因はわからないのでお母さんのせいではないです」と言ってくださり、少しだけ心が軽くなりました。
赤ちゃんが手術を乗り切る体力をつけるためにできるだけお腹で大きく育てて、赤ちゃんに負担をかけないために38週で帝王切開で出産することになりました。
早産疑いで34週で入院することに・・・
気をつけていたつもりだったのに・・・34週でお腹に周期的な痛みがありもしや陣痛!?と、病院に行ったところ、陣痛を抑える点滴をされてそのまま入院することになりました。
それから1か月、トイレ以外はずっとベットの上の生活が始まりました。
痛みが治まったのはよかったのだけどヒマです・・・。
ずっとドラクエを1から順番にしていました。

息子よ、うるさくてごめんね・・・。
お腹の息子は元気に動き回り本当に病気かしら?という感じでした。
考え込んでしまって夜眠れないことがありましたが、看護師さんに気にかけてもらい前向きな気持ちにもなれました。
そして無事に手術予定日までお腹にいてくれて、手術の日を迎えることになりました。
手術成功!闘病生活が始まりました☆
半身麻酔で帝王切開をしたので、私の意識はありましたが、お腹の外に出た息子の鳴き声は聞こえず・・・
息子は人工呼吸器?をつけられ、別の場所へ連れていかれました。
その後眠ってしまい、次に起きたときは病室のベットの上でした。
体重3,575gで見た目には病気などあるように見えない、かわいい赤ちゃんでした。
帝王切開手術の次の日、車椅子に乗せてもらい集中治療室に息子を見に行きました。
自分の傷もまだ痛みましたが、そんなことはどうでもよく、早く顔が見たかったのです。
たくさんの機械に囲まれ眠っている息子。
来てくれた娘や祖母は赤ちゃんに面会することができず、両親のみの面会でした。
そして、産まれて1日後に横隔膜をふさぐ手術をうけました・・・。
手術は無事成功しお腹で大きく育ってくれたこともあり、その後の経過は順調でした。
10日後に口からのミルクの哺乳が始まり、15日後に母乳をあげることができました。
そして、生後30日で退院することができました!
退院時に「オリンピック選手にはなれませんが、普通に働いて税金を納めることができるようになりますよ☆」と先生に言われました。

肺が十分に育っていないので、超ハードな運動は無理らしい。
手術費用として数百万の請求!がきましたが、育成医療という制度を利用して金銭的な負担はほとんどありませんでした。
身体に障害のある児童、またはそのまま放置すると将来障害を残すと認められる疾患がある児童が、その障害を除去・軽減する効果が期待できる手術等の治療を行う場合の医療費を、一部公的負担する制度
病気を見つけてくれた産婦人科の先生、手術をしてくれた小児外科の先生、たくさんの病院のスタッフさん、いろいろな方に助けていただきました。
本当にありがとうございました☆
息子、元気に育っています!
現在9才になる息子ですが、生活の制限をうけることなく普通に小学校に通っています。
身長もクラスの中で大きめで、病気を持って産まれてきたなんてウソの様です。
横隔膜ヘルニアの他に停留精巣もあったのですが、こちらも手術し、今は年に1回検診しに行っています。
この病気は横隔膜にあいている穴の大きさによって予後がだいぶ違ってきますが、息子も同室に入院していた同じ病気の男の子も1か月ほどで退院することができています。
息子の場合は穴の大きさと他に重篤な合併症がなかったので、手術後の回復が早かったのかなと思います。
普段何気なく生きていますが、健康のありがたさを実感したできごとでした。
この病気は2,000〜5,000人の出生に対して1人の発生率といわれていて、日本では年間約200〜300人が発症しています。
先天性横隔膜ヘルニアだけの発症例では、約85%の患者さんが生存退院しているそうです。
いまお腹のお子さんが先天性横隔膜ヘルニアですよと言われて不安になっているパパ・ママさん、お腹の中にいる間に病気が見つかったことがまずラッキーなのです。

産まれてくる赤ちゃんのために最善の準備をしてあげましょう☆
不安な気持ちのパパ・ママさんたちに少しでも勇気と元気をあげられたら、うれしく思います。
こういう例もあるということで、とりあえず書いてみました!
その後の息子の経過はこちら↓
