フィギュアスケート競技の得点を決める重要な要素の一つに「ジャンプ」があります。
ジャンプが決まるかどうかで得点に大きな差がでてくるので、選手のジャンプ前はとってもドキドキします!
ジャンプの種類は全部で6種類あります。
テレビ観戦の時は解説の方がジャンプの種類を教えてくれますが、会場で観戦する場合は自分で見分けられた方が楽しいですよね。
踏切前の助走や方向で次のジャンプが予想できたら、構成を変えて滑っているな・・などもわかるようになってきます。
はじめは動きが早くてなかなか区別がつかないと思いますが、踏み切る前の動作で簡単に見分ける方法があるので、今回はジャンプを簡単に見分ける方法について書きたいと思います。
氷をけらない・エッジで跳ぶジャンプ☆
演技中の選手はほとんどの時間を後ろ向きで滑っています。
そして、ジャンプも「後ろ向きで踏み切って後ろ向きに着地する」ものがほとんどです。
後ろ向きにすべる!?となると進行方向が見えないので怖くないのかな?と思いますが、習っていた娘に聞いてみると、いつも滑っていると全然怖くないのだそうです☆
難易度は簡単なものからトゥループ→サルコウ→ループ→フリップ→ルッツ→アクセルとなります。
さらに回転数によってわけられます。
1回転(シングル)2回転(ダブル)3回転(トリプル)4回転(クワドラプル)5回転(クインティプル)!?となり、3回転アクセルはトリプルアクセルとなります。
スケート靴の刃(エッジ)で跳ぶジャンプは3種類あります。
内側の氷に接する部分をインサイドエッジ、外側の氷に接する部分をアウトサイドエッジといいます。
反時計回りに跳んでいる選手がほとんどなので、反時計回りに回転するジャンプの見分け方について書いていきます。
時計回りの場合は足が逆になります。
アクセル
6種類のジャンプの中で唯一前向きで跳びます。
助走を右足バックで滑ってきて、振り返って前向き左足になり、左足アウトサイドエッジで思いっきり踏み込んで跳びます。
踏み切った後は、右足を振り上げて回転し右足で着氷します。
トリプルアクセルは3回転半ジャンプとよく言われますが、半というのは、他のジャンプより半回転多いということです。
前向きに飛んで後ろ向きに着氷するので、半回転多くなり、他のジャンプより難易度が高くなります。
この半回転多いというのがかなり難しいらしく、娘もアクセル以外のシングルジャンプはあまり時間をかけずに習得できましたが、アクセルはすぐにはできなかったです。
バッジテスト(フィギュアスケートの級を取得するためのテスト)3級の試験要素にもかかわらず、初級に合格する前からこのジャンプの練習が始まりました。

初級クラスの試合でもこのアクセルジャンプが跳べなければ上位にいくことはできないのよ・・・
大人から始めた方がこのジャンプを習得するのはかなり難しいです。
アクセル・パウンゼン(ノルウェー)さんが初めに跳んだジャンプで、伊藤みどりさんや浅田真央さんの「トリプルアクセル!」で、ジャンプの中で一番有名ですね☆
平昌オリンピックの後に羽生結弦選手が4回転に挑戦したいと言っていたジャンプです☆
サルコウ
助走を左足前向きで滑ってきて、途中で後ろ向きにくるっとターンして左足インサイドエッジのバックになり、そのまま左足インサイドエッジで跳びます。
跳びあがる時にエッジを内側に傾けるので、足がハの字の形に見えます。
踏切後は右足を振り上げて回転し、右足で着氷します。
ウルリッヒ・サルコウ(スウェーデン)さんが初めに跳んだジャンプで、安藤美姫さんが4回転を跳んだジャンプですね。
最近ではロシアの女子ジュニア選手も4回転を跳んでいて、女子も4回転を跳ぶ時代になるのかなあと思うとワクワクします☆
ループ
助走を前向きに滑ってきた後に、向きを変え右足バックで滑ってきて、そのまま右足アウトサイドエッジで跳びます。
跳びあがる時の動作が、両足で踏み切っている様な、椅子に座るような形に見えます。
右足に軸をおいたまま回転し、右足で着氷します。
コンビネーションの2番目ジャンプは着氷の足からそのまま跳ぶのがルールで、他のジャンプを跳んだ後にそのままの右足で踏み切れるので、コンビネーションの2番目にも跳ばれます。
右足で跳んで右足で着氷するので、難易度順にトゥループ→サルコウと練習してきて初めに難しさを感じるジャンプのようです・・・。
ヴェルナー・リットベルガー(ドイツ)さんが初めに跳んだジャンプで、「ループ」と呼ばれるのは、踏み切る時にループターンに似た動きをして跳ぶからだそうです。
羽生結弦選手が4回転を初めて跳んだジャンプです☆

羽生さんの右足によく捻挫をさせる、にくいジャンプなのよ!!
氷をける・つま先(トゥ)で跳ぶジャンプ☆
スケート靴の刃の先にはギザギザの突起・トゥピックがついています。
このトゥを使って跳ぶジャンプは3種類あります。
トゥループ(トゥ+ループ)
助走を右足バックで滑ってきて、後ろ向きに右足で踏み切って左足トゥをついて跳びます。
軸を左から右に移し、右足で着氷します。
ループジャンプのトゥをつくバージョンのジャンプで、助走の時に左足を後ろにひく動作をします。
他のジャンプを跳んで右足で着氷した後に、右足で踏み切きって左足でトゥをつけるので、コンビネーションの2番目に跳ばれます。
セカンドトゥループは左足トゥがつけるので、すべて右足だけで跳ぶセカンドループより難易度が低いです。
ブルース・メープル(アメリカ)さんが初めに跳んだジャンプで、4回転は男子のトップ選手たちが跳んでいますね☆
フリップ(トゥ+サルコウ)
助走を左足インサイドエッジのバックで滑ってきて、跳ぶ前にくるっとターン(フリップ)して右足トゥをついて跳びます。
踏み切った後に右に重心をおき、右足で着氷します。
跳ぶ前に右足から左足に変えるモホークターンや、左足のままのスリーターンをするので、くるっと回ってジャンプしているように見えます。
助走の回転方向と空中の回転方向が同じなので、自然な流れの中で跳ぶことができます。
トゥ・サルコウと呼ばれていたこともあるようですが、左足インサイドエッジのバッグで滑ってきてトゥをつかずに飛び上がるのがサルコウで、右足トゥをついて飛び上がるのがフリップということのようです。

確かにジャンプをとぶ前の動作が似ているな・・・
初めて跳んだ人ははっきりしませんが、フリップは反転するという意味です。
ジャンプの前の動きから来ているのかな?と思います。
宇野昌磨選手が初めて4回転を跳んだジャンプです☆
ルッツ
助走を左足アウトサイドエッジのバックで滑ってきて、右足トゥをついて跳びます。
飛び上がる直前まで上半身を右にひねり、左回転をして右足で着氷します。
助走の回転方向と空中の回転方向が違うので、軌道がS字カーブになるとても難しいジャンプです。
助走の力をいかせないので、パワーで跳びます。
助走が長く続いて、そのまま飛び上がっているように見えます。
フリップジャンプと似ていますが、違いは左足のエッジの使い方です。
フリップは左足インサイドエッジにのり右足トゥをつき、ルッツは左足アウトサイドエッジにのり右足トゥをつきます。
アロイス・ルッツ(オーストリア)さんが初めに跳んだジャンプで、4回転を跳ぶ男子選手やロシアの女子ジュニア選手がきてきましたね☆
簡単な見分け方・まとめ☆
- 前向きで飛び上がったらアクセル
- 右足バックで滑ってきて、左足を後ろにひいて、トゥをついて左足で飛び上がったらトゥループ
- 右足バックで滑ってきて、椅子に座るような形で右足で飛び上がったらループ
- ターンして左足インサイドバックになり、ハの字の形で左足で飛び上がったらサルコウ
- ターンして左足インサイドバックになり、トゥをついて右足で飛び上がったらフリップ
- 左足アウトサイドバックで滑ってきて、ギリギリまで上半身をひねって、トゥをついて右足で飛び上がったらルッツ
フリップとルッツを見分けるのが難しいです・・・。

テレビで観戦していて、解説の人がジャンプの名前を言う前にジャンプの名前を言えたら「すご~い!」って言われるよ。きっと!
ジャンプの簡単な見分け方を知りたい方のお役に立てれば、うれしく思います。
競技会をたくさん観て、跳ぶジャンプを予想してみよう!
ジャンプの見分け方を覚えたら、とりあえす会場で観戦してみよう!↓
